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日本のレジャーカヌーの普及、ならびにカヌー業界においても、最も多大なる功績を残されたフジタカヌー創業者の藤田清さんが本年5月に他界されました。10月2日、お集まりなられた多数のカヌー愛好者の皆様と共に、藤田清さんを偲ぶ会と哀悼の意を込めて、第一回 木津川カヌーフェスティバルが開催された。
 当日は秋晴れで川も水量にも恵まれ、川下りには最高のコンディション。カヌー界のレジェンドのお別れ会でしたので、カヌーカヤック業界を牽引する大物の方々も多くお見かけしました。琵琶湖カヌーセンターの神吉さん、カヌーショップ カワサキの川崎さん、クリアウォーターカヤックスの清水さん、某ベテラン強者カヤッカーさん、カヌー専門ウェア等のメーカー関連の方、カヌー雑誌、新聞、テレビ等のメディア関連の方々なども来られていたようで、かなり盛大なイベントになりました。
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 藤田清さんが設計図をひき、自ら製作した折り畳み式カヌーは、欧米人に比べて小柄で非力な日本人にも持ち運べるよう小さく軽量化され、カヌーに乗るのが初めての人でも安心して遊ぶことのできる舟に仕上がりました。遊びカヌーの礎が築かれたのは、若き日の藤田清さんが折り畳み式カヌーで川下りして遊び楽しんだ、京都府笠置町に流れる木津川から始まったのです。
 その後、笠置町にカヌー製作拠点を構えてフジタカヌーを創業されます。やがてフジタカヌーに乗って、日本中の川や海を旅して楽しむ人も少しずつ増えてきました。その代表的な人が作家の故野田知佑さんです。アウトドア系の人気作家である野田さんの本を通して、遊びカヌー旅という概念に衝撃を受けました。ファルトボートと呼ばれる折り畳み式カヌーとやらがあることを野田さんの本を読んで知ったのです。遊びカヌーツーリングの痛快たる著作を多数書き残された野田知佑さんは、今年の3月にお亡くなりになられました。藤田清さんと野田知佑さん、日本カヌー界の大御所お二人がほぼ同じ時期に、三途の川に旅立たれてしまったのです。ひとつの時代が終わったのかも知れません。しかし思いは受け継がれています。遊びカヌー発祥の地と書かれた石碑の前に献花台として置かれたカヌーの骨組みに、現フジタカヌー社長さんが献花しました。亡くなってから改めて父は偉大だっんだなぁと思います、と社長さんからお集りになられた皆様に感謝の挨拶がありました。
 浮き沈みの激しいレジャー産業において、先代からカヌーメーカーの社長職を引き継いで長い年月の期間が過ぎましたが、今現在もシェアNO1のカヌーメーカーとして存続していることこそが立派な証だと私は思います。
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参加者全員がカヌーに乗って、記念の集合写真撮影が終わったら川を下ります。とにかく大人数なので4グループに班分けし、リーダーの指示のもと間隔を開けて一列になり瀬を下ります。フジタカヌーの社長さんとたまたま同じグループで漕ぐことになって、私のような我がままな者にも気さくにお話しをしていただきました。とても楽しい時間を過ごさてもらい、本当にありがとうございます。